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1.不動産取引の流れ

売却する理由を確認する

ライフスタイルや家族構成の変化、環境・経済状況の変化など、住まいを売却するのには様々な理由があるでしょう。まずは、「子どもの成長に伴い、広い家に住み替えたい」「定年を機にUターンしたい」など、売却する理由を具体的に整理してみましょう。
その上で、「住み替えの時期はいつ頃か」「手元の資金はどの程度あるか」など、自分自身の希望や経済状況などを確認します。
このような整理をすることで、売却価格や時期などの条件、新居を購入するか賃借するか、あるいは今の住まいを売却せずに賃貸するといった住み替えのイメージを持つことができます。

買え換えなら購入が先か、売却が先か?

買い換えに伴う売却の場合には、所有物件の売却時期と新たに取得する物件の購入時期をどのように調整するかが大切なポイントです。
転勤や転校等の理由で住み替えの時期が決まっている場合には購入時期を、住み替えの予算に制限がある場合には売却価格を重視して検討を進めることになるでしょう。
したがって、買い換え計画(売却を先行するのか、購入を先行するのか、売却と購入をある程度同時に進めるのかなど)は、住み替えの事情などを十分に踏まえて立てることが重要です。

(1)売却と購入を並行して検討する場合
売却と購入をある程度同時に検討する場合には、現在の住まいの買い主と新居の売り主と価格や引き渡し時期などについて、それぞれのバランスに配慮しながら交渉を進める必要があります。ただし、契約条件は相手方の意向にも左右されますので、難しい交渉となる場合もあるでしょう。

(2)売却を先に検討する場合
現在の住まいの売却価格を先に固めた上で、新居の購入を進めていきます。予定する売却価格を踏まえて、新居の購入を検討できますので、資金計画が立てやすくなります。ただし、売却の契約を先に結ぶことになりますので、購入の進捗状況に応じて現在の住まいの引き渡し時期を調整する必要があります。調整が難しい場合は、一時的に賃借で仮住まいを用意することも想定しなければいけません。

(3)購入を先に検討する場合
住み替えの心配もなく、じっくり物件を選ぶことができます。ただし、現在の住まいの売却代金を新居の購入に充てる場合には、ある程度余裕のある資金計画を立てる必要があります。万が一、売却価格が想定よりも低かった場合に、現在の住まいのローンが残ったり、購入を断念せざるを得ないリスクもあります。

不動産価格の考え方

売却を検討するに当たって、大きな検討課題となるのが「価格」です。
不動産は個別性が非常に強い資産であるため、価格の判断が極めて難しいという特徴があります。
最終的には、不動産会社などの専門家の意見を参考にしながら、売却価格を決定することとなりますが、不動産価格の合理的な判断手法はありません。
まずは、不動産価格に関する基本的な考え方と検討手法等を少しでも理解するようにしましょう。

(1)同じ不動産は存在しない
不動産には一つとして同じものが存在しません。同じ地域の土地でも、土地の形、面積、方位、接する道路の状況などによって、価格が大きく変わることがあります。
また、同じ棟のマンションでも、階数、間取り、部屋の方位、管理状況などによって価格は変わります。
このように、不動産価格を判断する場合には、立地条件や物件自体の特徴(これを一般に「個別性」といいます)を踏まえて、物件ごとに検討する必要があります。

(2)取引時点が変われば価格は変わる
不動産市場にも、全体的な相場の動きがあります。
たとえ同じ不動産であっても、取引する時期(これを一般的に「取引時点」といいます)が変われば、価格も大きく変わる場合があります。
したがって、不動産価格を判断する場合には、市場全体の動向も踏まえて、取引時期に応じて検討する必要があります。

(3)最終的には売り主と買い主の合意が前提
不動産売買は、スーパーなどで買い物をするように、提示された金額に対して「買うか、買わないか」の二者択一で成立するものではありません。
売り主と買い主が個別に希望条件を調整し、合意に至ったときにはじめて価格が確定します。


不動産の価格情報や相場情報を調べる

不動産会社へ相談する前に、まずは自分で情報収集してみましょう。
自分で情報を集めることで、ある程度の価格イメージをもつことが大切です。ただし、そのイメージが誤っている場合もありますので、過度に先入観をもたないように注意しましょう。
イメージをつかんだら、不動産会社へ具体的な相談をするとよいでしょう。ここでは、「相場・取引動向」で入手できる情報を紹介しますので、不動産売却の第一歩として活用してみましょう。

ここでは、比較的容易に入手できる個別の価格情報を物件種別ごとに紹介します。

物件種別 価格情報 実施機関 内容
土地 地価公示 国土交通省 公的機関が評価した価格 ※1
地価調査 都道府県 公的機関が評価した価格 ※1
土地総合情報システム 国土交通省 不動産の購入者へのアンケート調査で把握した実際の取引価格情報
不動産価格指数(住宅) 国土交通省 不動産の購入者へのアンケート調査で把握した実際の取引価格情報を基に物件の立地や特性による影響を除去して指数化したもの
新築マンション インターネット広告等   販売中の物件の売り出し価格情報 ※2
中古マンション インターネット広告等   販売中の物件の売り出し価格情報 ※2
レインズ・マーケット・インフォーメーション 指定流通機構 宅地建物取引業法に基づいて収集した実際の取引価格情報
不動産価格指数(住宅) 国土交通省 不動産の購入者へのアンケート調査で把握した実際の取引価格情報を基に物件の立地や特性による影響を除去して指数化したもの
一戸建て
(新築・中古)
インターネット広告等   販売中の物件の売り出し価格情報 ※2
レインズ・マーケット・インフォーメーション 指定流通機構 宅地建物取引業法に基づいて収集した実際の取引価格情報

※ 1 公的機関が評価した価格であって、実際に取引された価格ではないことに留意してください。
※ 2 売り出し価格ですので、実際に取引される価格と一致するとは限りません。あくまでもおおよその相場を把握するための参考情報として活用してください。なお、一般的に新築物件の場合は、中古物件ほどは売り出し価格と実際の取引価格の差が大きくないといわれています。

不動産会社について調べる

不動産の売却で、信頼できる不動産会社を選ぶことは、とても重要なポイントです。不動産会社の役割を理解した上で、不動産会社の特徴や基本的な情報を確認していきましょう。

  1. 不動産会社について調べる
    不動産の売却で、信頼できる不動産会社を選ぶことは、とても重要なポイントです。不動産会社の役割を理解した上で、不動産会社の特徴や基本的な情報を確認していきましょう。
  2. 不動産会社の特徴を知る
    不動産会社には、様々な特徴を持つ会社があります。
    例えば、多数の支店を構える会社の場合、自社のネットワークを活用した情報提供や遠隔地での取引に強みを発揮することが考えられます。
    また、特定の地域で長く営業している会社は、不動産に限らず様々な地域情報に精通していることが考えられます。
    このような不動産会社の特徴は、会社の規模などで形式的に判断できるものではありません。近隣での評判などを参考に、最終的には不動産会社の担当者とのコミュニケーションの中で見極めていくことが大切です。
  3. 不動産会社の基本情報をチェックする
    宅地建物取引業の免許番号

    不動産の売買や仲介を行うためには、宅地建物取引業の免許が必要です。
    複数の都道府県に事務所(本支店等)を構える会社は国土交通大臣の免許、1つの都道府県にのみ事務所(本支店等)を構える会社は都道府県知事の免許で営業しています。
    免許番号は不動産広告には必ず記載されていますので、不動産会社に仲介を依頼するに当たっては確認しておきましょう。
    なお、免許番号から、不動産会社の免許権者(国土交通大臣か都道府県知事か)と免許の更新回数を確認することができます。
    免許は5年ごと(平成8年3月以前は3年ごと)に更新されますので、更新回数が多い会社は営業歴が長く、一定の経験を有すると判断できますが、更新回数が少ない場合でも、高いノウハウを有する会社もあります。
    あくまでも免許の更新回数は、不動産会社を選択するに当たっての参考情報として確認しましょう。

    宅地建物取引業者名簿

    以下に示す行政庁で、「宅地建物取引業者名簿」を確認することができます。この名簿には、免許の年月日、役員の氏名、すべての事務所(本支店等)の所在地、過去の行政処分の状況、他の事業の兼業状況などが記載されています。この名簿を見れば、不動産会社の概要を知ることができます。
    また、一部の行政庁では、宅地建物取引業者の概要や行政処分情報をインターネットで提供しています。ただし、これらの情報だけで、不動産会社を判断することはできませんので、あくまでも不動産会社を選ぶときの参考情報として活用しましょう。

    ○宅地建物取引業者名簿の閲覧場所

    閲覧場所
    国土交通大臣の
    免許業者
    • 免許業者の本店所在地を所管する地方整備局等         リンクサイト
      (国土交通省の出先機関で全国に10ヶ所)
    • ※なお、国土交通大臣の免許業者については、各業者の本店が所在する都道府県の宅地建物取引業者を所管する部署でも閲覧することができます。リンクサイト

    都道府県知事の
    免許業者

    • 各都道府県の宅地建物取引業を所管する部署          リンクサイト

    ○閲覧できる書類

    1.宅地建物取引業者名簿
    2.免許申請書
    3.免許申請書の添付書類
    4.宅地建物取引業者名簿の登載事項の変更の届出にかかわる書類

不動産会社が仲介業務で提供するサービス

不動産会社は、価格査定と売り出し価格の決定、物件調査、購入希望者の探索と条件交渉、買い主への物件説明(重要事項説明)、契約手続き、引き渡し手続き(現地立ち会い、代金や費用の決済等)など、不動産取引全体をサポートしてくれます。
また、法律や税金などの専門的な分野についても、アドバイスを求めることができます。
特に、買い主との契約交渉を、専門知識を持たない当事者が直接行うことは難しいものですが、不動産取引のプロである不動産会社が間に入ることで、円滑に交渉が進むことが期待できます。
不安な面があれば、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。
なお、仲介手数料は、このような不動産取引全体のサポート業務に対して発生するものです。

物件の価格査定を依頼する

依頼する不動産会社をある程度絞り込んだら、売却する物件の価格査定を依頼し、説明を聞いてみましょう。例えば、価格査定の説明が「あいまい」「いい加減」であると感じたら、納得できるまで説明を求めましょう。
このような不動産会社とのコミュニケーションを通して、信頼できる会社かどうかを見極めることが、売却を依頼する不動産会社選びの重要なポイントです。

不動産会社は価格査定に関してそれぞれ独自のノウハウを持っていますので、複数の会社に依頼して各社の査定価格を比較するのもよいでしょう。
ただし、この場合、価格査定の前提条件が違うと査定価格を比較することができませんので、どの会社にも同じ物件情報を提供することが重要です。
また、正確に査定を行うためには、物件の不具合などの情報もできるだけ提供することが大切です。
なお、売却と平行して賃貸も検討している場合は、賃料の査定を同時に依頼すると参考になるでしょう。
査定依頼に当たって必要な資料や情報は次の通りです。これら資料や情報が不足する場合は、不動産会社が調査をしてくれることもあります。

査定依頼に当たって必要なもの
簡易査定 地図、登記記録(登記簿)等
・ほとんどの場合、物件を特定できれば簡易査定は可能。
・地図については不動産会社に備え付けのもので充足することも多い。
・登記記録(登記簿)は、物件の正確な面積等を把握するために必要なので、提出を求められる場合がある。ただし、査定結果を物件価格ではなく、uや坪当たりの単価で示す場合は不要な場合も。
詳細査定 地図、登記記録(登記簿)、その他詳細資料(購入時の重要事項説明書、建築関係書類等)
・詳細査定の場合は、物件を特定する資料に加えて、その他の詳細資料が必要となる場合がある。
・不動産会社が独自に調査することも可能だが、あらかじめ必要な資料を提示すると査定を円滑に進めることができる。詳細査定に当たっては、どのような資料が必要となるかを不動産会社に確認した上で、できるだけ多くの資料や情報を提供するのが望ましい。


査定価格の根拠を確認する

不動産会社から提示された査定価格について、その根拠を十分に確認します。
査定価格の根拠の説明は、価格査定書等の書面の交付、取引事例などのデータの提示、経験に基づく相場情報や地元の生情報の提供など、不動産会社の特徴に応じて様々な方法で行われます。
専門的な内容も含まれますが、ある程度の納得感が得られるまで査定価格の根拠をしっかりと確認することが重要です。

また、複数社に査定を依頼した場合、査定価格に差が生じることがありますが、高い査定価格を提示したところがよい不動産会社というわけではありません
なかには、仲介の依頼を受けたいがために、あえて高い査定価格を提示する不動産会社も存在します。
高すぎる売り出し価格を設定したために売却できなかったり、逆に低すぎる売り出し価格を設定したために売却価格に不満を感じてしまったりなど、後々の売却活動で後悔しないためにも査定価格の裏付けをしっかりと確認することが重要です。ライフスタイル

不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産会社に正式に売買の仲介を依頼するときには、「媒介契約」を締結します。
媒介契約は、自分が希望する仲介のサービス内容とその対価である手数料などを明確にするための大切な書類です。
後悔することのないよう、自分の意思を不動産会社にしっかりと伝えた上で、媒介契約を締結することが必要です。

媒介契約の意義

媒介契約は、売り主が不動産会社に依頼する業務の仕様(どのようなサービスを受けるか)や仲介手数料などを契約で明確にすることで、仲介業務に関するトラブルを未然に防ぐためのものです。
仲介の依頼を受けた不動産会社には、媒介契約の締結が法的(宅地建物取引業法第34条の2)に義務づけられています。
媒介契約の締結は、その後の売却活動の入口となる重要なステップですので、内容をきちんと理解しておく必要があります。

3種類の媒介契約から選択する

媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があります。いずれも基本的な契約内容は同じですが、それぞれ特徴があります。どの種類の媒介契約を選択するかは、どのように売却活動を進めていくかなど、考えている売却方針を踏まえて、自分の意思で選ぶようにしましょう。

 専属専任媒介契約

仲介を1社の不動産会社にのみ依頼する契約で、他の不動産会社に重ねて仲介を依頼することは契約で禁じられています。また、自分で見つけてきた相手方(親戚や知人と直接交渉した場合など)についても、依頼した不動産会社を通して取引することが、契約で義務づけられています。
このように、専属専任媒介契約は、売却活動の全般を1社に任せる契約です。ただし、専属専任媒介契約は依頼者に対して拘束力の強い契約ですので、専属専任媒介契約で仲介依頼を受けた不動産会社の仲介業務については、いくつかの法規制があります。

 専任媒介契約

専属専任媒介契約とほぼ同様の契約ですが、自分で見つけてきた相手方(親戚や知人と直接交渉した場合など)とは、不動産会社を通すことなく契約することができます。

【専属専任媒介契約と専任媒介契約(以下、「専任媒介契約等」)に関する法規制】
(1) 媒介契約の有効期間 専任媒介契約等は、依頼者にとって拘束力の強い契約であることから、有効期間は3ヶ月(契約更新の場合も3ヶ月)以内となります。なお、3ヶ月を超える契約を締結した場合でも、有効期間は3ヶ月と見なされます。
(2) 指定流通機構(レインズ)への登録等 専任媒介契約等を締結した不動産会社は、媒介契約を締結した日から法定の期日以内(※)に、仲介依頼を受けた物件の情報を指定流通機構(レインズ)へ登録しなければなりません。指定流通機構は、宅地建物取引業法に基づき、不動産情報を集約した上で、他の不動産会社に物件情報を提供しています。この制度の目的は、物件情報をより多くの不動産会社に提供することで、最適な買い主を探すことにあります。そして、専任媒介契約等を締結した不動産会社が、自社の購入希望顧客との取引を優先して、情報を抱え込んでしまうなどの不適切な行為を防止しています。

※専属専任媒介契約の登録期日:媒介契約締結の日から5日以内
 専任媒介契約の登録期日:媒介契約締結の日から7日以内
(3) 業務処理状況の報告 専任媒介契約等を締結した不動産会社には、仲介業務の実施状況(販売活動の状況など)を依頼者へ報告する義務が課せられています(報告の頻度(※)は法律で定められています)。このような規制によって、不動産会社に適切な業務遂行を促すとともに、依頼者が不動産会社の活動状況を定期的に確認する機会を確保しています。

※専属専任媒介契約を締結した場合の報告頻度:1週間に1回以上
 専任媒介契約を締結した場合の報告頻度:2週間に1回以上
 一般媒介契約

複数の不動産会社に同時に仲介を依頼することができる契約で、自分で見つけてきた相手方(親戚や知人と直接交渉した場合など)とも、不動産会社を通すことなく契約することができます。ただし、最終的には、どの不動産会社を通して取引を進めるかを決めることとなります。一般的には、有力な購入希望者を紹介した不動産会社と取引を進めることが多いようです。

【明示型と非明示型】
一般媒介契約には、「明示型」と「非明示型」があります。
明示型の場合は、他の不動産会社への同時依頼を契約で認めつつも、仲介を依頼した不動産会社には、他にどの不動産会社へ仲介を依頼しているかを通知する必要があります。一方で、非明示型の場合は、他の不動産会社に重ねて仲介を依頼しているのか、あるいは、どんな会社に依頼しているのかを不動産会社に通知する必要がありません。
【専任媒介契約等と一般媒介契約との比較】

一般媒介契約を締結し、依頼する不動産会社を増やすほど不動産会社間の競争は高まりますが、不動産会社にとっては不安定な依頼になるので、各社の取り組みは希薄になってしまうおそれもあります。
逆に、専任媒介契約等を締結するなど、依頼する不動産会社を減らすと不動産会社間の競争は低くなりますが、不動産会社にとってはより安定的な依頼となるので、各社の取り組みの密度は高くなる可能性があります。
ただし、最終的には、依頼者と不動産会社との個々の信頼関係が最も重要であり、それは媒介契約の種類でのみ決まるものではありません。まずは、自分の意向(売却活動の窓口を限定したいのか、複数の不動産会社による競争を促したいのかなど)を明確にし、不動産会社と協議した上で媒介契約の種類を決めましょう。

媒介契約の種類と特徴
  専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
他社への重ねての仲介依頼 × ×


(明示型の場合は、他社へ重ねて依頼した場合は通知義務あり)

自ら探索した相手方との直接契約 ×
契約の有効期間 3ヶ月以内 3ヶ月以内 法令上の制限はない(ただし、行政の指導は3ヶ月以内)
指定流通機構への登録 媒介契約締結の日から5日以内 媒介契約締結の日から7日以内 法令上の義務はない(任意での登録は可能)
業務処理状況の
報告義務
1週間に1回以上 2週間に1回以上 法令上の義務はない(任意で報告を求めることは可能)


売却にかかる諸費用の確認

不動産の売却には様々な費用などが必要となります。
例えば、所有している物件に住宅ローンの残債がある場合には、その返済資金のほかに、ローンの抵当権を抹消するための費用も必要になります。
このように、売却代金がすべて手元に残るわけではありません。
その他、物件や売却方法などによって、売却時に必要となる諸費用の額は異なりますので、仲介を依頼する不動産会社とも相談して、売却にかかる諸費用を把握するようにしましょう。ライフスタイル

手元に残る資金=売却価格ーローン残債+諸費用

売却にかかる主な費用
●仲介手数料
仲介を依頼した不動産会社へ媒介契約に基づいて支払う。
●抵当権抹消費用
住宅ローン残債があり、抵当権が設定されている場合に抹消登記の登録免許税が必要となる。抵当権の抹消を司法書士に依頼する場合は、司法書士の報酬も必要となる。
●不動産売買契約書の印紙税
不動産の売買契約書に印紙を貼り、割り印を押すことで納税する。
●測量費用
土地を実測して引き渡す場合には測量費用がかかる。
●建物解体費用
古家がある土地を更地にして引き渡す場合、建物の解体撤去費用がかかる。
●譲渡所得税
物件の売却により利益が出た場合、所得税と住民税がかかる。
●その他
引っ越し費用や不要品の処分費用等も発生する。

不動産を売り出す
  1. 不動産の売り出し価格を決める
    不動産の販売活動に当たって、まずは売り出し価格を決めなければなりません。
    一般的には、売り主の希望価格と不動産会社の査定価格を踏まえて、売り主が売り出し価格を設定します。
    売り主が早く売りたいと思えば希望価格よりも査定価格に近い価格設定を、時間がかかっても高く売りたいと思うなら希望価格に近い設定をするでしょう。
    売却代金の一部を買い換えなどの資金に充てる必要があるなら、その点も考慮しなければなりません。

  2. 具体的な販売活動の内容
    不動産の売り出しを開始したら、売却を依頼した不動産会社は具体的な販売活動を行います。
    その方法としては、「指定流通機構に登録する」「広告媒体に掲載する」「オープンハウスを実施する」などが挙げられます。
    具体的な販売活動を開始したら、物件見学などの問い合わせがあった場合に、売り主と不動産会社とができる限り早く連絡をとって対応できる態勢を整えておくと、販売活動を円滑に行うことができます。
    指定流通機構への登録

    不動産会社は媒介契約に基づき、物件情報を指定流通機構に登録します。
    指定流通機構とは、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した不動産流通機構で、不動産会社間で物件情報を交換するためのコンピューターネットワークシステムを運営しています。 (通称「レインズ」と呼ばれています。)
    指定流通機構には、全国の不動産会社が加入していますので、幅広く購入者を探すことができます。

    広告媒体への掲載

    不動産会社は、不動産ジャパンのようなインターネット広告の他に、新聞の折り込み広告やダイレクトメールなどで集客活動を行います。
    なお、不動産広告には、不動産業界が設定した不動産広告の表示に関する自主規制基準があります。これを、「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」といい、適正な広告の表示基準を定め、誤解を招く恐れのある用語や根拠のない表現を規制しています。不動産会社の広告が、この表示規約に則っているかについては、売り主も確認をしておいたほうがよいでしょう。
     「不動産の基礎知識(買うときに知っておきたいこと)5-2不動産広告の見方(基本編)」を参照

    オープンハウスの開催

    オープンハウスとは、誰にでも気軽に物件を見に来てもらうためのイベントです。購入希望者にとっては事前に連絡をしてから見に行く手間や煩わしさがないため、広く購入希望者を募る手段として活用されています。オープンハウスを開催するときには、事前に不動産会社が宣伝のために広告を配布する、現地看板などで案内するなどの集客活動を行います。

売買契約を結ぶ

購入希望者が現れたら、売買契約書を結びます。
契約条件について売り主・買い主双方の合意が必要です。
いったん契約を締結すると、簡単に解除することはできませんので、事前に契約内容を十分に確認することが重要です。
最終的に契約は、「自己責任」で締結するものであることをしっかりと理解してください。

契約内容について納得したらいよいよ売買契約の締結です。
売り主と買い主が集合し、売買契約書を読み上げて契約内容の最終確認をします。その上で、契約書に署名・押印し、手付金等の授受を行います。手付金等は、現金や指定口座への振り込みのほか、預金小切手で受け取る場合もあります。
また、不動産会社が仲介に入っている場合は、契約時に仲介手数料を支払うことも多いようです。契約手続きに漏れがあると、売買契約が締結できないことで、買い主をはじめとして関係者に迷惑をかけてしまいますので、しっかりと準備をした上で契約に臨みましょう。
なお、不動産の取引においては、犯罪収益移転防止法により、買い主または仲介の不動産会社から本人確認書類の提示や、職業、取引目的などの申告を求められます。

契約時に必要な主なもの
手付金等 手付金等の領収書
※代金の20%以内が一般的(現金・振り込み・預金小切手など)
印紙 売買契約書に貼る。代金が1,000万円超5,000万円以下の場合の印紙代は1万円
印鑑 実印であることが多い
不動産会社への仲介手数料 媒介契約書であらかじめ取り決めた金額(現金・振り込み・預金小切手など)
※必ず領収書を受け取る
本人確認書類 運転免許証や各種健康保険証などの公的機関が発行した本人確認書類


不動産を引き渡す

一般的に、売り主による所有権の移転と物件の引き渡し義務と、買い主による残代金を支払う義務は同時に履行します。

残代金の決済と所有権移転登記

まず、買い主から売り主へ、残代金を支払います。住宅ローンを利用する場合は、ここでローンが実行されます。
残代金を受け取ったら、売り主は買い主に対して残代金の領収書と所有権移転登記に必要な書類一式を引き渡し、一般的には司法書士が所有権移転登記を申請します。(売却物件に抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消の登記も同時に申請します。)この場合、登記費用は司法書士に支払います。

公租公課等の精算

公租公課(固定資産税と都市計画税)、管理費などについては、引き渡し日の前日までを売り主の負担、引き渡し日以降を買い主の負担として、日割り精算するのが一般的です。買い主から精算金を受け取ったら領収書を受け渡します。

その他必要書類等の引き渡し

実測図や建築関係書類、物件の鍵、付帯設備の保証書・取り扱い説明書、その他の書類等を売り主から買い主へ引き渡します。必要書類等の引き渡しと引き換えに「引き渡し確認書」などを受け取ることも多いようです。

仲介手数料の支払い

引き渡しが完了したら、不動産会社と結んだ媒介契約に基づいて、仲介手数料を支払います。不動産会社から領収書を受け取ります。

税金に関する注意点

不動産を売却したことによる利益は、所得税等の課税対象となります。ただし、マイホームの売却には様々な税制上の特例などがありますので、確認しておくとよいでしょう。

譲渡所得税
不動産の売却によって得た譲渡益については、譲渡所得として所得税と住民税が課税されます。
ただし、マイホームのような居住用財産の場合、様々な特例や控除があります。主なものは、3,000万円の特別控除、買い換えの特例、マイホームを売却した場合の軽減税率の特例などです。それぞれの特例には適用要件があり、重ねて利用できるものと選択が必要なものがあります。適用に当たっては詳細な検討を要することがあるため、最終的には税務署や税理士に相談しましょう。

譲渡損失が出た場合の特例
通常は、不動産の譲渡損失を他の所得と損益通算することはできません。ただし、マイホーム(居住用財産)の売却や買い換えで譲渡損失が出た場合に、一定の要件を満たす場合、譲渡損失を他の所得から差し引くことができる「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が受けられます。

確定申告を忘れずに
不動産を売却して譲渡益があるため納税しなければならない、または、納税の必要はないけれど特例の適用を受けたいという場合には、売却した翌年に、所轄の税務署で確定申告を行う必要があります。(申告期間は原則として2月16日〜3月15日)早めに税務署や税理士に相談するなどして、忘れずに確定申告しましょう。